沖縄伝統空手を守り育てて行きたい

 

琉球紅型(びんがた)

 

沖縄剛柔流空手を守り育てて行きたい

(うまりじまぬ くとぅば わしりーねー くにん わしりゆん)

国際交流が盛んになり、外国文化が我が国に溢れている今日ですが、私は沖縄の伝統文化が希薄化してしまうのではないかと心配しています。

特に空手道は本来の武道性が希薄になり、競技の勝敗のみを競い合うスポーツ競技カラテが現在の主流になってきています。そんな中にあって沖縄空手道のみが伝統的な武道性を死守していると言っても過言ではないと思われます。本来の武道修行は武士道精神を培う為の生涯自己修養の道であり、チャンピオンや優勝を目指すものではないはずです。

キックボクシングもどきに、リングの上で殴り合いや蹴倒し合いをして観客に見せたり、グローブを着けて防具で身を固め、ただ先に当てることのみを競い合ったりすることが本来の空手道でしょうか。また寸止め競技カラテにあってもしかりです。武術の本質からかけ離れたポイント先取と審判受けする競技テクニックのみを競い合っているとしか言えません。また〇〇喧嘩カラテ、〇〇殺しカラテ、〇〇実戦カラテ、〇〇格闘技等に本来の武道の精神性があるとは到底思えません。これらスポーツ競技カラテはいずれも本来の伝統武道空手とは別ものと言わざるを得ません。

スポーツ競技カラテなら、せいぜい35歳がピークで、さらに経験年数を重ねる程に経験年数の浅かった若い時よりも競技成績が悪くなってくるという矛盾を真摯に受け止めねばならないと思われます。このように活動期の短いスポーツ競技カラテに比して、伝統武道空手界では70~80歳代の年配者も現役の修行者として活動しています。

今日、一部の外国人が本来の武道空手道に着目して、それを熱心に習得しようとしています。これから20年後に、否10年後には、もはや伝統的な武道空手道が日本国内から消滅してしまい、むしろ外国に行ってそれを探し求めなければならないというような哀しい行く末になることを危惧しています。

グレシャムの法則の如し、このまま放置すれば伝統武道空手道は絶滅危惧種となってしまいます。私はスポーツ競技カラテが蔓延する現代空手界の風潮に一石を投じる決意で大阪支部を立ち上げました。

私は恩師宮里栄一先生及びその高弟鈴木昭彦先生亡き後、伝統的な沖縄空手道を西日本一の大都市大阪で何としても守り育てて行くことこそが、1966年(昭和41年)4月から沖縄剛柔流空手道を純粋一途に修行してきた私の最後の使命と思っている次第です。

いつも前向き 感謝と思いやりの心で

(沖縄剛柔流空手道協会 大阪支部長 田中文雄)

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